古着の木綿繊維を用いた技法の研究

古着の木綿繊維を用いた技法の研究

作品情報

制作者
平井 大心
大学
東京造形大学
学科・専攻
インダストリアルデザイン専攻領域(大学院)
担当教員
中林鉄太郎
制作年度
2026

『古着の木綿繊維を用いた技法の研究』と題された本研究は、回収された古着の木綿衣類から、和紙漉きの技法を参考にしたプロセスにより「紙」を制作するプロジェクトを出発点としたものである。傷んでいる木綿衣類ほど繊維がほぐれやすく、「紙」づくりに適した状態にあるため、この技法を展開していくことで立体的な形状が得られるとの仮説から、造形方法の可能性と手法の確立を探ったものである。3Dプリンタを用いて制作された半球状の「型」に、木綿繊維を流し込む実験を重ね、柔らかな存在の立体形状を得ることができた。DESIGNTIDE TOKYO「Class or 2025(学生展)」出展作。

JIDA会員からのコメント

本作は、古着の再資源化という現代的なテーマに、木綿繊維の新たなマテリアル表現という視点から丁寧に向き合った、質の高い試みです。完成された立体表現は非常に洗練されており、素材のニュアンスが持つ儚さまでも見事に定着させています。特筆すべきは、紙漉きの工程で水流と共に穴から流れ出ようとする物質の動的なふるまいを捉え、独自のテクスチャーとしてデザインに定着させた点にあります。この現象をさらに発展させ、他媒体への応用可能性にも視野を広げつつ、研究を深めていってください。

吉川ちひろ