「霞みゆく」という曖昧で移ろう存在をモチーフに、加湿器という日常的なプロダクトの中に、芸術的な表現が入り込む余白をつくり出すことを目指した。本作品は、機能を満たすだけの家電ではなく、生活空間に静かに溶け込む「存在」としての加湿器の提案である。多くの家電製品は機能性を重視する一方で、生活空間の雰囲気との関係性は十分に考えられていない。本作品は、家電のあり方を空間との関係から捉え直すことを出発点としている。加湿という機能そのものだけでなく、生活空間の雰囲気や感覚を大切にする人を想定している。日常の中に静かな時間や余白を求め、道具にも美的な存在意義を見出す使用者が対象である。


JIDA会員からのコメント
木下陽介