霞みゆく

霞みゆく

作品情報

制作者
潘 俣桐
大学
専門学校 東京デザイナー・アカデミー
担当教員
村山君学
制作年度
2026

「霞みゆく」という曖昧で移ろう存在をモチーフに、加湿器という日常的なプロダクトの中に、芸術的な表現が入り込む余白をつくり出すことを目指した。本作品は、機能を満たすだけの家電ではなく、生活空間に静かに溶け込む「存在」としての加湿器の提案である。多くの家電製品は機能性を重視する一方で、生活空間の雰囲気との関係性は十分に考えられていない。本作品は、家電のあり方を空間との関係から捉え直すことを出発点としている。加湿という機能そのものだけでなく、生活空間の雰囲気や感覚を大切にする人を想定している。日常の中に静かな時間や余白を求め、道具にも美的な存在意義を見出す使用者が対象である。

JIDA会員からのコメント

霞みと加湿器に重ね、家電を機能だけでなく空間に情緒性をもたらすプロダクトとして捉え直している点が魅力だと思います。加湿方式の比較や霧表現の選択にも考察が見えますが、今後は、山水や水墨画の引用が形態や体験にどう必然化されているかをもう一歩言語化できると、詩的表現と実用性の結びつきがさらに強まると思います。さらには、設置する空間への空間性をどの様に設定するべきかも考察を進めてみてください。

木下陽介